改正されてもうすぐまるまる3年になろうとしている労働者派遣法ですが、今年の9月30日で派遣契約の更新を終える雇い止めが増えそうだという話があります。
無期雇用の人が派遣されている話はちょっと置いておいて、一般的に派遣社員と言われる有期雇用の方の場合は、3年経過後に同じ仕事をさせるには、派遣先の企業が直接雇用するか、派遣会社と無期雇用契約を結ぶかのどちらかになります。
ただ、派遣先としたら直接雇用したくないから派遣を受け入れているわけで、そもそも有能な方なら喜んで直接雇用しているわけです。また、派遣会社からすれば、無期雇用となれば簡単に解雇はできないため、積極的に無期雇用を受け入れるかと言えばそうはならないと推測されます。
リーマンショックの時のように、雇い止めが続出するのはわかりきっているわけで、あとは企業イメージの悪化を避けるためにある程度直接雇用や無期雇用自体は行われると思いますが、本音で言えばそのまま新しい人にする方がよっぽどメリットがあるという訳です。
というのも、労働組合の意見聴取の手続きを3年ごとに行えば、人を入れ替えることで派遣社員を使うことができるわけで、実際には形式だけの意見聴取を行って、部署を変えて使うことは合法なので、3年単位でぐるぐる回すことで回避できそうです。
政府はどういう形を想定したのかわかりませんがとりあえず企業側からすると、本当に良い人は、直接雇用または派遣会社が無期雇用化し、ぼちぼちの人は3年ごとに部署を変えたり仕事を少し変えて継続的に派遣してもらって、あまり良くない人は、3年で打ち切ってしまうということになると思いますので、何のために作ったのかあんまりよくわかりません。
労働組合と言っても中小企業の場合は、労働者の過半数の代表となりますからと、とりあえず代表者を決めてOKにしてしまえば、ある程度会社側がコントロールすることも可能なので、実質的に意見聴取は行われないなんてことも想定されます。
管理する人事部や総務部の方からすれば、とりあえず3年で意見聴取を行って、違う部署に配置すれば問題なさそうなのでそんな感じの運用になるのではないでしょうか。