働き方改革で時間外労働の上限規制が導入されたりと、何かと労働時間管理の徹底が進めれています。
もちろん正しいことだと思いますし進む方向は合っていると思います。
しかし、実際には会社としてどこまで仕組みを作れるかという事と、各個人が勝手に時間外に業務をしている等どこまで徹底できるかは人事にとっては非常に悩ましい問題です。
労働時間管理の徹底として仕組化しておきたいのは単にタイムカードや出退勤簿だけでなく、PCのログオン・ログオフ時間による管理や入退出記録との照合まで管理できれば、実態との乖離はある程度防げると思います。
しかし実際の勤務時間には出てこないけど仕事をしているなんて言うのは、やろうと思えばできてしまうものです。
気を付けておきたいのは、部署によっては上司の言う事が違って過少申告しているケースです。
例えば、PCやスマホで入力するタイプのタイムカードシステムを運用している場合は、端数を切り捨てて入力させていたりすることや朝の出勤時間も5分前に入力するなどしていることがあります。
また、月の上限時間を設定していて20時間までしか認めないなんていうケースもまだまだ見受けられます。
ですが、入退出とPCのログオン・ログオフ時間と突き合せれば発見できます。
一番厄介なのが、持ち帰って仕事をしている場合です。
それも持出用PCなどを使って仕事を家でして翌日自分のPCに入れるなどするとわかりにくくなります。
情報セキュリティの厳しい大企業では、ありとあらゆるログを取っている会社もあるしアクセス履歴で一発でわかると思いますが、中小企業ではそんなところまで手が回らず抜け穴ができたまんまです。
本来は長時間労働になっている原因を追究して長時間労働にならないように進めていくのが正しい方向ですが、原因追求というのは面倒だったりして「とりあえず人事や総務がうるさいから目先の数字だけ少なくしておこう」という体質の会社が少なくありません。
今すぐ全部の残業を無くすことは不可能でも、少しずつ「残業=良い事ではない」の意識を持っていけば次第に変わっていくと思います。
年配の方の時代の長時間労働が正義だった時代は終わりました。
今では適切な残業時間と多様な働き方を認めていかないと、入社してくれる人は減る一方です。
また待遇についてもしっかり割の合う条件を提示して、頑張った人が報われる制度を作っていく必要があります。
自分の会社が「ブラック企業」と言われているかも?と思うところがあったら、まずはそこから改善できるようにしていきたいですね。