最近の社会保険労務士は、助成金しか能がなさ過ぎないか?

最近の社会保険労務士は、助成金しか能がなさ過ぎないか?

私の周りにいる社労士だけかもしれませんが、何かある度に助成金の話になります。
経営者や総務・人事系の人間にとって貰えるお金があるなら、知って得する話という営業のキッカケにピッタリなのはわかるのですが、あまりにも多すぎて少々ウンザリしています。

特にひどいのが、各所で行われる講演会やセミナーでだいたい第二部あたりでこの話題になります。
そもそも正しい使い方ならともかく、強引に助成金が貰えるからと本末転倒な方向に進んでいるのが気になります。
雇用関係助成金の申請代行ができるのは、社会保険労務士の独占業務であるため、そこを必死にアピールして新規開拓に励んでいるのです。

一番気に入らないのが、キャリアアップ助成金の正社員化コースというやつ。
これは、非正規社員を正規雇用等へ転換し、転換前6か月より転換後6か月の賃金総額を比較して5%と以上増額して転換する助成金がもらえるのですが、そもそもは非正規社員を正規化して欲しいからの助成金になります。
それなのに、正社員で採用する予定の人を一旦6か月の試用期間中を有期雇用契約にして助成金を貰う事に一生懸命になっているケースを多数みます。
これで中小企業の場合は、570,000円貰えます。(大企業の場合は427,500円)
このうち20%~30%程度を社労士が手数料などで貰っていくわけです。
仮に570,000円の20%として114,000円、既存顧客や新規顧客を開拓して10件/月でもやれば1,140,000円ですから、やりたくなる気持ちもわかります。

しかし、そもそも人が就職するときに6か月間の有期雇用契約書を目の前にしたら、どういう印象を持つでしょうか?
奥さんや家族に有期雇用での契約で転職のOKが貰えない可能性もあります。
そこでわざわざマイナスイメージを与えなくてもいいはずですが、目先のお金に目がくらんでいるとしか思えません。

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私は正社員なら安泰とか絶対正社員にならなければいけないとは思っていませんが、露骨にそんなやり方をしている経営者とは一緒に気持ち良く仕事ができないと思うから就職しないと考えています。
特に、経営者と社労士がベタベタに仲良しの会社なんて最低です。
時々人を採用してこれから仕事を増やそうというよりも、助成金を貰うことが目的になっていることを見てきましたが、だいたいそんな会社はうまくいっていません、人を大切にしていないことが多いから。

変な話ですが、顧客がブラックで1年ぐらいで人が辞めてしまう会社が一番助成金で社労士は儲かることになります。
6か月間は有期雇用契約にして、お金を貰ってその後約6か月後に助成金申請をして貰った頃にその人は辞める。
辞めた代わりにまた採用して同じように助成金を申請する…といった具合で、真面目にやってる会社よりもそこそこブラックな会社の方が都合が良くなります。

もう少し厚生労働省は考えて助成金を出さないと、助成金ビジネスばっかりな社労士がいっぱいになるかもしれませんよ。

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